2017年9月6日 更新

水槽に活性炭を入れても効果はない?賛否両論の活性炭のお話

水槽に活性炭を入れておくと、活性炭が水中のアンモニアを吸着して臭いや濁りを除去してくれるという説が一部のアクアリストの間でまことしやかに語られています。確かに、多くの種類の水槽用活性炭が販売されていますが、活性炭に水中のアンモニアや亜硝酸を吸着する力はありません。ではなぜ水槽用活性炭が販売されているのでしょうか。活性炭に関する事実と噂の境目を明らかにしてみました。

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活性炭には吸着能力がある

活性炭とは炭を活性化して吸着能力を高めたものです。活性炭における吸着とは特殊な加工によって活性炭表面に空けられた大小さまざまの穴に有機物が結合することを指します。活性炭の表面は疎水性(水に溶けにくい性質)が強いため、同じように疎水性が高くて分子量が大きいものほど吸着しやすい性質を持っています。

熱帯魚を飼育している水槽に活性炭を入れると、活性炭の表面が近くの溶質を引き寄せるため、餌の食べ残しや熱帯魚のフンなどの有機化合物を吸着し、除去するように働きます。流木を水槽内に入れておくと流木の色素が溶けだして水が黄ばんでいきますが、同じ水槽に活性炭を入れると水の色が透明になるのは活性炭が水中の色素成分を吸着するためです。

市販の活性炭の多くは、塩素や臭いの元となる分子を吸着することを期待したものであり、親水性の高いアンモニアなどの物質を除去するものではありません。
各種水槽用の活性炭

各種水槽用の活性炭

活性炭が吸着するアンモニアは空気中のものだけ

冷蔵庫やトイレの不快な臭いを取るための商品にも活性炭は使われていますが、これらがアンモニアの除去に効果を発揮して、水槽内の活性炭がアンモニアを吸着しないのはどうしてなのでしょうか。

人が空気中でアンモニアの不快な臭いを感じるとき、アンモニアはガスの状態で存在しています。活性炭はガスの状態のアンモニアなら容易に吸着できるのですが、アンモニアが水に溶けた状態では、活性炭の表面がアンモニアよりも水に溶けにくい有機物を優先して吸着してしまうのです。よって、水槽に活性炭を入れても水に溶けたアンモニアはほとんど吸着できないというのが実際であり、臭いや濁りが取れたとしたらそれはアンモニアではなく他の臭いや汚れの原因を活性炭が吸着したということなのです。

活性炭に関する誤解とは

活性炭は時間が経つと一度吸着したものを離してしまうので、定期的に新しいものと交換したほうがいいと説くアクアリストもいますが、これも根拠のない噂です。しかし活性炭の微細な穴が微粒子で埋まってしまうことで、吸着能力が落ちることはあります。メーカーが活性炭の定期交換を進めるのは、放置すると古い活性炭が溜めこんだ汚れを放出するからではなく、吸着能力の低いものを使い続けても期待する浄化効果が得られないためです。

活性炭は水槽内の不純物を吸着するが…

以上のことから言えるのは、活性炭にはろ過効果があるものの、水中のアンモニアを除去することはほとんどないということです。細かい話になりましたが、アンモニアが持つ毒性は活性炭で除去することができず、放置すると生体の健康を害するおそれがあるため、活性炭以外の方法できちんと除去することが肝心です。

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