2019年1月5日 更新

アクアリウムの古典的謎物質!『ハイポ』とはなんぞや?

水槽・濾過装置・エアポンプ・照明器具!そして忘れちゃならない水中生物飼育の必須アイテム『中和剤』。液体タイプや粒タイプなど様々な製品がありますが、今回はそのなかから高確率で「氷砂糖みたいなアレ」と称される謎物質『ハイポ』について化学に弱い担当ライターが頑張って掘り下げてみます。

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ぶっちゃけ『ハイポ』って何なんよ?

オッス!オラ『ハイポ』!

オッス!オラ『ハイポ』!

アクアリウム関連で『ハイポ』とよばれるこの結晶化物質、本名は『チオ硫酸ナトリウム』と言うそうです。名前の通り基本的には硫酸とナトリウムの化合物ですが、硫酸を構成する酸素の1つが硫黄に置き換わっているようです。どことなく印象的な『ハイポ』という通称はギリシャ語の『hypo(ヒュポ)』という単語由来で意味は『~より下、未満』を表す接頭辞。化学用語だと『次(じ)』。たとえばですが硫酸と亜硫酸だと『酸化数(結合しているHやOの数?)』というものが少ない方が『亜』で、さらに酸化数が『亜』未満の場合は『次亜硫酸』となります。一概には言えないようですが『酸化数』の多い物質のほうが酸化剤としての能力(相手に酸化力を渡して自分の酸化力が減る?)が高いようですよ。

『ハイポ』の効能

魚に悪さする『カルキ』ってのはおめぇか?

魚に悪さする『カルキ』ってのはおめぇか?

ほっほっほ♪わたしの塩素濃度値は1mg/l(約)です。

ほっほっほ♪わたしの塩素濃度値は1mg/l(約)です。

水道水中の消毒・漂白成分である『次亜塩素酸カルシウム*CaCl(ClO)・H2O』。独逸語略で『カルキ』とも
呼ばれる水生生物の飼育に邪魔なこの物質を中和する用途として『ハイポ』を投入するわけですが、その『酸化還元』反応の結果、ごく微量の『塩』『硫酸』『塩酸』などが発生するようです。一見とても物騒そうな反応物質の面々ですが、現行の水道水中の『塩素』の量に対して発生するため塩素そのものの毒性や、塩素と飼育水中のアンモニア(アンモニウムイオン)の化合によって発生する『クロラミン』の生体に対する毒性に比べれば、他の物質と化合して安定化してしまうこともありその影響は全然無視していいレベルのもよう。それでも心配な場合・よりピュアな飼育水をご所望の方は、塩素除去できる浄水器や換水用の溜め水槽を利用するのが良いでしょう。

『ハイポ』の使用量

ひょえー!おめぇそんなに入れちまうのか?

ひょえー!おめぇそんなに入れちまうのか?

現行の水道水中の塩素濃度(だいたい1mg/l)から計算した中和に必要な『ハイポ』の分量は意外に少なく、多めに見積もっても『かなり小粒のもの』1粒で10リットルぐらいは中和できるもよう。大きな粒なら少なく見ても数十リットルは確実に中和できるので、ときどき耳にする「水をキレイにするクスリ」という感覚でワサッ!と入れるのは考え物らしいです。また生体に対して比較的安全な物質ながらも、すでに長期間飼育を行っており底床内などに有機物が蓄積した環境だとそれらとの『酸化還元』反応の結果、きわめて有害な『硫化水素(H2SO4)』などが発生することもあるようなので注意が必要みたいですぞ。

衝撃の事実!『ハイポ』は『ハイポ』じゃなかった!!!!

さて、薄々気付いてしまった方も多いと思いますが実は『次亜』じゃない物質『ハイポ』はハイポじゃないんです!経緯としては過去に『次亜硫酸ナトリウム』と誤表記されて販売されていたことが大きい・・という話がありますし、漂白剤として比較的身近な『次亜(ハイポ)』物質である『次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)』の中和をする薬品「ハイポの中和剤」→「ハイポのくすり」→「中和剤としてハイポを入れます」という伝言ゲーム的ねじれが発生している気もしなくはない・・・。ともかく「ハイポ入れといて」で『次亜塩素酸ナトリウム(これも一般的な漂白剤)』投入とかもありえるので、少し意固地で理系な身内とかにお出かけ中の水換えを頼みこもうとしているそこのアナタ!要注意だ!

さて今回はアクアリウムの古典的謎物質!『ハイポ』について掘り下げてみました!使用の機会がありましたら用法容量を守って上手に活用してみてくださいね♪

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