2018年1月22日 更新

観賞用メダカの放流が絶対にNGな理由

ペットショップや熱帯魚店で買った外来種を、近くの川や池に放流するのは生態系を崩す恐れのある危険行為として知られています。しかし、メダカのような種であれば、放流しても問題ないと勘違いしている方は意外と多いもの。そこで今回は、たとえ国産のメダカであっても、近くの川などに放流してはいけない理由を細かく解説します。

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観賞用メダカを放流すると何が起こるか

観賞用として売られているメダカはそのほとんどが改良品種であり、野生の純血種とは異なる特徴を持っています。観賞用のメダカ(改良品種)を川や池に放流すると、改良品種とその場に生息する純血種で交雑が起こります。その交雑によって生まれた生体は、種類が異なる2匹の両親から外見的な特徴を半分ずつ受け継ぐ交雑メダカになってしまうのです。

観賞用メダカが放流された場所では、放流されたメダカが少数だとしても、交雑が進むにつれて交雑メダカが増えていき、最終的には純血種が川や池から姿を消してしまうことが問題視されています。

純血種が減ることは何が問題なのか

日本のメダカは、北日本に生息する「キタノメダカ」と関東以南に生息する「ミナミメダカ」の2種が存在し、さらに遺伝子レベルの違いでキタノメダカは3グループに、ミナミメダカは12グループに分類されています。純血種のメダカの遺伝子には、自然環境の変化に適応してきた地域ごとの長い歴史が刻まれており、純血種のメダカの遺伝子情報そのものが自然環境の変化を分析するための貴重な資料であるともいえます。

外来種の放流の危険性はニュースなどで大きく報じられていますが、観賞用メダカの放流もそれと同様で、本来生息する地域の枠を超えて生体を移動させることは生態系に多大な影響を及ぼします。生物の多様性を保つことは、人間の生存環境を守ることにも直結する重大な問題なのです。

放流前の環境を取り戻すことは難しい

現在は水族館などの施設で各メダカの保全活動が続けられていますが、飼育できなくなったメダカを川に放流したり、野生メダカの絶滅への懸念から良かれと思って稚魚を放流したりする「無知の放流」があとを絶たず、多くの川に他地域から来たメダカが生息しているとも考えられています。観賞用メダカとの交雑が一度でも起きてしまうと、現地の純血種の保全は難しくなるため、観賞用メダカを近くの川に放流することは絶対に避けなければなりません。

現地で採取した個体同士の間に生まれた稚魚なら、現地に放流しても問題ありませんが、個人の趣味でメダカを飼うのであれば、最後まで家庭内で完結させることを目指しましょう。

繁殖させたメダカは責任をもって飼いましょう

メダカは観賞用の魚の中では繁殖が簡単な種であり、コツさえつかめば誰でも卵をかえすことができます。しかし、生体が増えればそれだけ飼育に手間やコストがかかります。メダカの繁殖に挑戦する際は卵からかえったすべての生体を、責任をもって育てる覚悟を持ちましょう。観賞用のメダカを地域の川や池に放流するのは絶対にNGです。
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