名前の通り、真珠を思わせる青味を帯びた乳白色のスポットが散りばめられた体を持ち、とくにオス個体は胸部が濃いオレンジに染まり背ビレ・尻ビレが発達。さらには尻ビレの縁が櫛状に長く伸長し、見応え抜群のスタイルを持っています。また本種だけの特徴ではないのですが感覚器官として長く発達している腹ビレで障害物や、他の個体を確認する仕草もなかなかカワイイところがあります♪原産地はマレー半島・スマトラ島・ボルネオ島で、マレー半島における分布はタイ王国南部が北限となっています。同じ地域に同属のスリースポットグラミーT trichopterusが生息していますがこちらが水田や貯水池等でもみられるのに対し、本種は人里よりやや奥まった森林内の沢や小川でみられる、というようにうまく住み分けしているようです。最大サイズは12cmほどになります。
飼育について
ヒレの伸びもまだまだな若い個体
バルーンパール
まんまる体型がかわいい改良品種・バルーンパールグラミー。ショップでは5、6cmほどの若魚から10cmほどの成魚クラスのもの、バルーン体型の改良品種まで比較的コンスタントな流通があります。購入にあたっては傷や水カビ等の付着・極端に痩せている、などがなければ問題なく導入できると思います。丈夫な種類がほとんどな同属ですが、本種も非常に丈夫で、換水やフィルターの掃除など常識的な範囲のメンテナンスがなされていれば大抵状態よく飼育でき、餌に関してもフレーク状・粒状・フリーズドライ・冷凍など仕様にかかわらずよく食べます。10cmを超えるサイズになる本種ですが、性質はかなり温和で極端に小さくないサイズのテトラ等の小型魚との混泳はほぼ問題なく行えますが、食性とサイズの面から小型エビとの同居は残念ながら難しいです。生息地の水は腐食した植物質の影響をうけた「ブラックウォーター」ですが、水質に関しては極端な酸性・アルカリ側でなければ問題ないようです。
繁殖について
良く育ったメス個体
グラミーのオスは水面にこのような産卵床(泡巣)を作ります
パールグラミーは繁殖時に泡巣を作る「バブルネスト・ビルダー」で、泡巣は浮き草や千切った水草を台座に作成され直径は20cm近くなります。卵はオスがメスに巻きつく形で数回・数百個産卵され、丸一日で孵化。稚魚が泳ぎまわれるようになるまでの約一週間はオスの親魚が付きっきりで世話をします。繁殖モードに入るとさすがに他の魚を近づけさせない等の行動が見られるようになりますので、繁殖を狙う場合には仕上がったペア個体を別ケースに隔離して行うのが良いでしょう。稚魚は大変小さく多数の育成を行う場合にはインフゾリア等極小の餌の用意が必須となりますが、小数の育成ならマツモやウィローモスを多く浮かべ付着している微生物で、ブラインシュリンプを食べられるサイズになるまでの数日間をしのぐ方法もあります。また人為的なものになりますが同属のブルーグラミーとの交雑品種「ブルーパールグラミー」が作出されています。
さて今回は東南アジア産の美魚・パールグラミーについて紹介しました
機会があればぜひ一度飼育にチャレンジしてみてくださいね♪
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