魚同士のケンカで鱗が取れることは多い
大型魚や縄張り意識の強い魚は、鱗がはがれるほど激しいケンカをすることも少なくありません。ベタのようにオス同士でケンカをする魚は特に注意が必要です。鱗やヒレなど、体表に傷がついてしまった場合は、傷口から病気に感染してしまう恐れもあるので直ちに対処しましょう。
魚同士のケンカを予防するには相性の悪い魚を混泳させないことが大前提ですが、水槽を大きくしたり、水草を入れて魚の隠れ場所を増やしたりすることでケンカを防げる場合もあります。また、水槽が狭すぎると、魚がストレスを受けて水槽内で暴れ、結果として鱗が傷つくこともあるので、魚の鱗が取れているのを発見したら飼育環境も見直すようにしましょう。
エロモナス感染症は鱗が逆立つ病気
エロモナス感染症とは、鱗の下に分泌液がたまり、腹部が膨張する病気で、体表が赤く充血したり、目玉が外側に隆起したりするなどの症状を伴います。鱗が逆立つ症状から「松かさ病」とも呼ばれるエロモナス感染症は、一度発症すると治療が困難なため、予防に徹する必要があるでしょう。
エロモナス感染症の原因であるエロモナス菌は、魚の腸内に普遍的に存在していますが、水槽内の環境悪化や、急な水温低下、ストレスによって生体が弱ると、エロモナス菌が増殖し症状が発症します。水面が波立つような荒っぽい清掃や、温度管理の不十分な換水が生体を弱らせる場合があるので、注意しましょう。
鱗がはがれたお魚は隔離と薬浴で様子を見よう
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鱗がはがれたお魚は、ケンカや病気の蔓延を防ぐために別の水槽に隔離します。気温が低い時期は避難先にもヒーターを設置し、急激な温度変化がないように気を配りましょう。
隔離したお魚は、専用の薬品を使って治療を行います。10日前後薬浴させた後は、鱗の回復を早めるために、水槽の水温を28~30度ほどまで上げて生体の代謝を高めましょう。傷口が粘膜で覆われるとゆっくり鱗が再生していくので、その間は水槽の水質や温度に気を遣って、お魚にストレスを与えないようにしてください。
日々の観察で傷の早期発見に努めましょう
ヒレを揺らして優雅に泳ぐ熱帯魚の姿は、水槽を見る人に癒しや安らぎを与えてくれます。しかし熱帯魚は生き物である以上、病気やケガのリスクをゼロにすることはできません。お魚の動きが鈍い、体表に傷があるなどの異常を発見したら、すぐに隔離し治療を行うことが大切です。