検査するべき項目
pH(ペーハー)
水質の中でも最も重要なのがpH値です。この値の高さによって水はアルカリ性、中性、酸性などと呼ばれます。一般的な小型熱帯魚や水草、シュリンプが好むのは弱酸性(pH6~pH7程度)のため、弱酸性に水質を合わせることが基本です。ただし、育てる熱帯魚や水草の種類にもよるので、それらの適正pHを必ず確認してください。
pH値はアクアリウムで最も基本的な指標なので、常時すぐに測定できるようにしておく必要があります。
炭酸塩硬度(KH)
水槽内のカルシウムやマグネシウム・炭酸の総量を表した指数。この値が高いと水槽水のpHが下がりにくくなります。逆に低い場合は水槽水のpHが下がりやすくなるため、水槽水のpHの変化が大きくなります。
総硬度(GH)
水槽水中のカルシウム塩やマグネシウム塩などの総濃度を表した指数。この値が低いと軟水、高いと硬水と呼ばれます。現在流通している水草が好むのは軟水です。
アンモニア(NH3/NH4)
生体に有害な毒素で、これが蓄積すると生体は死んでしまいます。通常、水槽の立ち上げ初期に発生し、立ち上げの目安となる数値です。そのため、水槽を立ち上げる際は特に注意して確認しましょう。また、立ち上げ時以外で検出された場合はただちに水換えを行ってください。
亜硝酸
アンモニアを硝化細菌が分解することによって発生する物質。アンモニア同様、強い毒性をもった毒素です。こちらも立ち上げ時に発生し、水槽立ち上げ時の目安となります。立ち上げ時以外で検出された場合は水換えを行いましょう。
硝酸(NO3)
亜硝酸が分解されて最後に残る物質。水槽立ち上げ時に、アンモニアや亜硝酸が検出されなくなり、硝酸が検出されるようになれば水が出来上がったサインです。ただし、毒性はアンモニアや亜硝酸に比べると弱いものの蓄積すると生体に悪影響を及ぼします。
水質検査の方法
左は試験紙タイプ、右は試薬タイプのテストキット
水質検査は、市販されているキットを使って行います。キットには試験紙タイプと試薬(液体)タイプがあります。試験紙タイプは検査したい水に試験紙を浸し、薬品がついている部分の色の変化から水質を測定します。一方、試薬タイプは容器に検査したい水を注ぎ、そこに試薬を滴下して色の変化を読み取ります。
試験紙タイプの水質検査薬は、試薬タイプに比べて簡単に測定できますが、測定誤差が大きいと言われています。測定結果に正確性を求めるのであれば、測定に少し手間をかけても試薬タイプの使用をおすすめします。
ただ、最近では、試験紙タイプの手軽さと試薬タイプの正確さを備えたBICOMのテストキットという商品が販売されています。これを使えばすばやく正確に測定が可能です。
BICOMテストキット
水質検査のタイミング
水質検査が必要になるのは、まず水槽を新規に立ち上げたタイミングです。水槽の立ち上げ時にはアンモニアや亜硝酸といった有害物質を硝化してくれる細菌(濾過バクテリア)の繁殖が不可欠ですが、通常はまずアンモニアが検出され、その後亜硝酸が検出されるようになり、最後には硝酸が検出されます。これが、濾過バクテリアが繁殖して水槽の水ができたというサインです。これを調べるために、立ち上げ時には必ず水質検査を行う必要があります。
その他に水質検査を行うべきタイミングは以下の通りです。
・生体の状態が悪い時
・コケが大量発生した時
・水草の発育が悪い時
水質検査でしっかりと見極めを
毎日水質検査を行う必要はありませんが、水槽立ち上げ時や、生体や水草に異常が見られる時は必ず水質検査をできるようにしておきましょう。