エンペラーテトラ・Nematobrycon palmeri
エンペラーテトラ オス
エンペラーテトラ メス
コロンビア原産。小さからず大きからず、存在感のあるサイズのお魚で東南アジアでの養殖個体の流通も多く入手も容易です。本種オスの大きな特徴は、ほかのテトラではあまり例のない大きく『三叉』する尾ビレと矩形・長大な尻ビレで、特に尾ビレは先端部分がフィラメント状に伸長する豪華さ。色彩面でもサファイアのように輝く目・本繻子のような光沢のある『すみれ色』のボディ・鮮やかな黄色の各ヒレ、と上品さあふれるものになっています。メスはオスに較べれば地味と言えますが、エメラルドグリーンに輝く目・褐色ベースながら萌木色のスプレーを吹いたような体色をしており、雌雄の色彩差も楽しめます。ヒレまで含めた全長は最大クラスのオスで6cmほどになります。またワイルド個体として入荷する場合、赤褐色味が強く目のカラーパターンが違う亜種、もしくは別種と思われるものが来ることもありますが詳細はいまだに不明です。
レインボーテトラ・Nematobrycon lacortei
レインボーテトラ オス
レインボーテトラ メス
前種・エンペラーテトラと同じくコロンビア原産の極美麗テトラ。サイズや体型はかなり似通っていますが、色彩は大きく異なっておりオスの目は真紅で体には螺鈿細工を思わせる複雑な模様が入ります。やはりメスはオスに較べれば地味ですが、前種同様の色彩差があり対比が楽しめます。本種はいまだに天然個体の流通がメインで、養殖個体の流通は多くありません。またエンペラーテトラや後述・インパイクティス ケリーがアルビノ等の色彩変異改良種も作出されているのに対し、本種の改良品種というのはいまだに聞きません。最大サイズは6cmほどになります。
インパイクティス ケリー・Inpaichtys kerri
インパイクティスケリー オス
インパイクティスケリー メス
別名・インペリアルテトラ。属が違うので厳密に言えば『エンペラーテトラの仲間』ではありませんが、似通った雰
囲気を持っているためここで紹介します。本種は1978年、日本・ブラジル移民70周年を記念しブラジル国立アマゾン研究所INPA(Instituto Nacional de Pesquisas da Amazonia)より日本の皇室に送られたことと、その後の著名な研究家による繁殖秘話で有名です。属名は『INPAの魚』を意味するインパ・イクティス。近年同属の別種とおぼしき魚が何種か入荷していますが、いずれも非常に上品な印象の持ち主のようです。最大サイズは4cmほどになります。種小名『ケリー』がクールビューティー女優・グレース ケリーに因むという話も有名ですが綴りが違っており、実際のところかなり怪しい話のようです。
改良品種について
アルビノケリー
ブラックケリー
ブラックエンペラー
改良品種としては黒変のブラック・エンペラーや黄変のゴールデン・エンペラー、青色強化型のスーパーブルー・ケリーにブラック・ケリー、アルビノ・ケリーなどが知られています。
飼育について
必見のフィンスプレッティング
餌の選り好みもあまりせず一般的なテトラ類と同様にとても飼育しやすいのですが、導入直後に白点病にかかりやすく、いきなり飼育水槽に導入するのは避けトリートメントタンクで留め置き期間を設けるのが良いと思われます。ま
た若干気の強いところがありますので、グッピー等の『長いヒレ』がウリのお魚や、極端に小さいお魚との混泳は避け
たほうがよさそうです。長期の高温や水質の悪化に対して弱い面もあり、『弱酸性』だけに注目していると調子を崩す
ことが多いのでフィルターや底床のメンテナンス、ファン等の冷却装置の設置なども併せて行うと良いでしょう。
さて今回はセレブ感あふれる上質のテトラ・エンペラーテトラとその仲間たちについて紹介しました。
機会があればぜひ一度飼育にチャレンジしてみてくださいね♪
TO wrote it