冬眠の準備は9月~10月の上旬ごろから!
冬眠というと「冬が近づいてきたら始めるもの」と考えている方も少なくないと思いますが、その準備は9月~10上旬ごろには始める必要があります。では冬眠前にどんな準備が必要なのでしょうか。
9月~10月の上旬
この頃から餌を減らし始め、フィルターを使わずに水替えでの水質管理を行っていきます。水替えの際は、1日に1/3~1/2程度を目安に、少しずつ水替えをしていきましょう。これによって水が青水(グリーンウォーター)へと変わっていきます。普段飼育するうえではあまり良いイメージのない青水ですが、金魚は冬眠中に青水のプランクトンから栄養素を得るため非常に重要です。冬眠まではこの青水の維持・管理をしっかりと行う必要があります。
10月中旬~11月
気温・水温ともに下がってくると植物性プランクトンの活動も弱まるため、水替えを行っても青水が濃くなりにくくなります。この時期に大がかりな水替えを行ってしまうと、青水にならなくなってしまうため注意が必要です。青水はぼんやりと底が見える程度の濃さを保っておくようにしましょう。また餌も消化不良を起こさないように、たんぱく質や脂質の少ない餌に切り替えていく必要があります。
冬眠中の金魚を見守るうえで気をつけたいこと
気温が下がり、水温が10℃を切るようになってくると本格的に金魚は冬眠に入り始めます。金魚が冬眠を始めたら以下のことを意識しつつ、見守ってあげましょう。
環境の変化は最小限に
冬眠中に目覚めると体力を無駄に消耗させるため、金魚に負担をかけてしまいます。不要な振動や騒音、水温の変化には気を配ってあげましょう。冬場でも水は蒸発していくため、その際は静かに同温の水を足してあげる必要があります。
餌はあげなくてもいい
冬眠中は代謝も下がり、極力エネルギーを消費しないようになっています。必要な栄養は青水の植物性プランクトンから得るため、餌をあげる必要はありません
表面が凍っていても慌てない
冬場は水面に氷が張ることもありますが、決して慌てずに見守ってあげましょう。無駄に振動を与えたり、氷を解かそうとお湯をかけたりしてはいけません。
「必ずしも冬眠させなければいけない」というわけではない
金魚は必ずしも冬眠させなければいけないというわけではありません。温かい室内で飼育していれば金魚は冬眠することなく、普段通りの飼育を行うことができます。
金魚にとっても冷たい水の中で冬眠して冬を越すことは、非常に体力を消耗することです。もともと弱い個体では春まで持たないこともありますし、春になって活動を始めた途端に病気にかかってしまう可能性もあります。
金魚を青水の中で冬眠させることで骨格の形成や色揚げ、また春先の繁殖などに効果的といわれていますが、本格的な飼育を目指すわけではない場合は、無理に冬眠させる必要はないでしょう。
冬眠は準備段階が大事!
「冬眠させるべきか、冬眠させないべきか」という判断は、金魚の状態や環境を考えたうえで行う必要があります。冬眠させる際は、冬眠時よりもその準備段階が重要です。水質の管理をしっかり行って、金魚が無事に冬を越せるような環境を作ってあげましょう。そして冬眠中はあまり手を加えずに、安定した状態を保ってあげることが大切です。