成長とともに外見が変化する魚・エンツユイの不思議に迫る
自分の水槽で、魚がすくすく育っていくのを見るのは嬉しいことです。毎日エサを与え、定期的に掃除をし、温度や水質に気を遣いながら大切に育てた魚だからこそ、成魚まで成長した時の喜びはひとしお。しかし、かわいい見た目に惹かれて飼育を始めた魚が、まったく別の魚のような見た目に成長したらどうですか?今回は成長すると外見が変わる魚「エンツユイ」の不思議に迫ります。
エンツユイってどんな魚?
エンツユイ(胭脂魚)は、中国生まれの魚で、コイ目サッカー科の中では唯一アジアに生息している種です。大きさ15cmほどの幼魚のうちはゼブラ柄で、背びれの前側が突き出した高さのある形をしています。
成長すると、身体の色が白黒からオリーブグリーンに変化し、身体の中心に赤い横縞が一本入ります。大きさも全長60cmから1mほどまでに成長し、体形もコイのように細長くなります。
エンツユイの魅力
色や形だけでなく、模様の向きまで変わってしまうエンツユイはとても不思議な魚です。その変化していく成長過程を観察できたらとってもおもしろいと思いませんか?
しかし、エンツユイはエサでの飼育が難しく、栄養の偏りから餓死してしまうことも少なくありません。成長を見守ろうとするならば、エンツユイの生態に関する勉強や、飼育設備を整える努力が必要です。
特性と飼育するときの注意点
大きな水槽の用意が必要
水温の上がりすぎに注意
最重要課題はエサの選定
エンツユイは水槽の底の砂をさぐったり、石の表面についた苔をなめとったりして栄養をとります。泥の中の微生物を食べるのが本来の生態なので、人工のエサが合わなかったり、栄養が偏ったりして餓死してしまうことが多いのがエンツユイ飼育の課題です。いろいろな栄養が採れるよう、バラエティに富んだエサやりを心がけましょう。
このように、成魚まで育てるには手のかかるエンツユイですが、なんとしても飼育を成功させて、その身体の変化の謎を解き明かしたいものです。