画像はpH測定器
そもそもpHって何?
pHは水が酸性かアルカリ性かを判断する基準で、水中の水素イオン濃度指数のことを指します。水槽内の環境を整えるうえでとても重要な指数で、生体によって適切なpHが異なるので注意が必要です。
もしも、適切なpHとかけ離れた水槽に生体を入れると、pHショックといって生体が水槽内で暴れまわることがあります。
一般的に、淡水魚は中性から弱酸性の水を好み、海水魚は弱アルカリ性の水を好む傾向にあります。また、水がアルカリ性寄りの場合、水槽内のアンモニア濃度が強くなることがあるので注意が必要です。
アクアリウムにおける一般的なpHの数値基準は石鹸や洗剤などのpHの数値基準とは異なり、弱酸性は6,0以上7,0未満、中性は7,0あたり、弱アルカリ性は7,0以上8,0未満とされています。
一般的な小型熱帯魚は弱酸性~中性
エンゼルやディスカスは中性~弱アルカリ性を好みます
海水魚は弱アルカリ性
アクアリウムのpHが変動する理由って何?
水道から出る水を水槽に使っている方が多いと思います。水道水のpHは通常pH5.8~8.6と定められています。しかし、水槽内では様々な影響を受けて、時間の経過に伴いpHは変動していきます。
水のpHが下がる要因はいくつかあります。
水槽内の水草を育てるために、CO2を添加している場合には、KHやpHが下がりやすいといわれています。また、新しいソイルを使用した場合、KHを下げる効果があるためにpHが下がりやすくなります。その他、エサの食べ残しやフンが蓄積されると、硝酸やリン酸が水中に溶け出して水質を弱酸性に近づけます。レイアウト用の流木を入れている場合は流木から染み出す腐食酸により、pHが弱酸性に近づきます。
次に、水のpHが上がる要因について。
水草の肥料としてカリウム肥料を添加する方がいらっしゃいますが、カリウム肥料というのはアルカリ性のため水槽内の水がアルカリ性に近づいていきます。
また、サンゴや貝殻類はカルシウムを多く含んでいるので、水中にカルシウムが溶け出しKHが上昇し、その結果pHも上昇します。
まとめ
水槽の水質をチェックする上で大変重要なpHですが、pHが弱アルカリ寄りですと、コケが発生しやすくなってしまったり、弱酸性の範囲を超えてきてしまうと、熱帯魚やろ過バクテリアへの影響も出てきてしまいます。
様子を見てみて、おや?なんかおかしいかも・・・、というようなときは一度pHを確認してみるのもいいでしょう。