イソギンチャクを飼育する前に考えておきたいこと
イソギンチャクは定着にも一苦労
イソギンチャクと一言でいっても様々な種類がいて、種類ごとに定着しやすい場所が異なります。定着させたい場所がそのイソギンチャクの好みの場所でなかった場合は移動してしまうこともあり、場合によってはガラス面に張り付いてしまい景観が崩れてしまう可能性もあるため注意が必要です。
熱帯魚との相性を考える
毒性の強いものや捕食能力が高いイソギンチャクを飼ってしまうと、共生関係の築けない生態が触れた際に弱ってしまったり死んでしまったりする可能性があります。
イソギンチャクは弱りやすい
イソギンチャクは非常にデリケートです。水温や水質などの変化はもちろん、水流の強弱やちょっとした傷などでも死んでしまう可能性があります。魚病薬や駆虫薬などによってもイソギンチャクが死んでしまうため使用ができません。
クマノミとの共生関係が築けないことも
せっかくイソギンチャクが順調に育っていても、必ずしもクマノミなどの熱帯魚と共生関係が築けるとは限りません。また共生できたとしてもクマノミがイソギンチャクをかじってしまい、結果的にイソギンチャクが死んでしまう場合もあります。
イソギンチャクの飼育に必要なもの
水流を作るポンプ
イソギンチャクは淡水の水草とは違い、適度な水流が必要となります。しかもイソギンチャクによって好みの水流の強さが異なるようです。そのため飼育しているイソギンチャクに合った水流を用意する必要があります。ディフューザーなどを使用して、ランダムな水流を作ってあげるとなお良いでしょう。
光源
イソギンチャクは体内に共生している褐虫藻からエネルギーなどを分けてもらっているため、十分な照明が必要不可欠です。イソギンチャクの種類によって蛍光灯で十分なものから、強い光が必要になるものまで様々なので適した光源を用意する必要があります。
適切な水温
一般的にイソギンチャクの適切な水温は25~28℃といわれています。低すぎても活動が悪くなってしまいますし、高すぎても褐虫藻がイソギンチャクから抜け出してしまうといったことが起こるため適切な水温を保つ必要があります。
イソギンチャクとクマノミの共生関係
クマノミは毒を持っているイソギンチャクの中に入ることで外敵から身を守る代わりに、イソギンチャクの口へ餌を運びお互いに助け合う関係になっています。しかしなぜほかの魚はイソギンチャクの毒にやられてしまうのに、クマノミはイソギンチャクへと入ることができるのでしょうか。
それはクマノミの体を保護している粘膜に秘密があります。イソギンチャクは海水のマグネシウムが低下したときに毒を出しますが、クマノミの粘膜は非常に高い値のマグネシウムで構成されています。そのためイソギンチャクはクマノミが近づいても毒を出さず、お互いの共生関係が成り立っているのです。
アクアリウムに慣れてきたらぜひチャレンジ!
イソギンチャクは非常にデリケートで、種類によって好む環境が違うため飼育には少し難易度が高いかもしれません。しかしゆらゆらと揺れるイソギンチャクと、絡まるように隠れるクマノミは見ているだけでも癒されること間違いなしです。ぜひアクアリウムの管理に慣れてきたらイソギンチャクとクマノミの共生を目指してみてはいかがでしょうか。