発色が美しいアロワナ「紅龍」
主な生息地はマレーシアやインドネシアの熱帯域に流れる河川ですが、日本で流通している個体の多くが海外もしくは日本国内で養殖されたブリード個体です。最大体長は約60cm~100cmと大ぶりで、分厚い体高と大きな鱗は他種のアロワナには劣らない堂々たる威厳を誇っています。そんな高貴な遊泳姿を見せてくれる紅龍は、日本・海外を問わず縁起のよい魚として個人はもちろん、オフィスや飲食店などでも多く飼育されています。
アジアアロワナに適した飼育環境は水温23度~30度、水質は弱酸性~中性(Ph6.5~7.5)です。水質の変化に敏感な傾向があるので、必ず購入前に飼育されていた環境に近い水質を維持しなければいけません。飼料は人工飼料から生餌まで幅広く対応させることができますが、口の形状から浮き餌を得意とするので、浮上性のあるフレークタイプの人工飼料やコオロギなどを与えるとストレスなく餌を食べさせることができます。
飼育環境によって発色が左右される
また、アジアアロワナ最大の特徴である美しい赤色の発色は、水質や餌などの飼育環境によって左右される傾向があります。発色の出方には個体によってばらつきもありますが、よりはっきりと赤みを出させたい場合は水質を生息地と同様軟水のブラックウォーターに傾け、動物性タンパク質の高い餌をバランスよく与えるとよいでしょう。その他、荒い気性を持つので、飼育時は多種・同種ともに混泳を避け、1匹で飼育するのが理想的です。それらの条件を意識して適切な飼育環境で生育できれば、体長20cm~30cmを超えるあたりから非常に美しい発色を見せてくれます。中には、数年かけ成魚になってから発色を見せる個体や鱗の付け根に緑がかった発色を見せる個体、頭部がスプーンのように反り返ったスプーンヘッドと呼ばれる個体など、同じアジアアロワナでも異なる特徴を持つ個体が存在するのも、紅龍を飼育する楽しみの1つです。