あの一大グループに大改編の波!コリドラス属の分類改編について調べてみたよ|熱帯魚・アクアリウム | 熱帯魚やアクアリウムを始めたい方、趣味としている方、熱帯魚、アクアリウム情報に興味のある方に向けた熱帯魚、アクアリウム総合マガジン

あの一大グループに大改編の波!コリドラス属の分類改編について調べてみたよ|熱帯魚・アクアリウム | 熱帯魚やアクアリウムを始めたい方、趣味としている方、熱帯魚、アクアリウム情報に興味のある方に向けた熱帯魚、アクアリウム総合マガジン

メイン画像

あの一大グループに大改編の波!コリドラス属の分類改編について調べてみたよ

かわいらしい姿にお掃除屋さんとしての能力。小型ナマズ類の中でも圧倒的な人気を持つのがコリドラスの仲間です。すでに知られている多彩な種・いまだに登場し続ける新たな種からくるコレクション性の高さも魅力のひとつですが、最近学術的な分類で大きな変更があったとのこと。
そこで今回はそんな観賞魚界の一大勢力・コリドラスの分類改編について調べてみました。

記事サムネイル

一見大衝撃!コリドラス属が総勢30種類ちょっとに大激減!の真相

これからのコリドラスはこのタイプに限定!!

今回の大改編以前の“コリドラス属”は数多の未記載種を除く有効な学名を持つものだけでも200種近い大所帯でしたが、これが総数30種ちょっとに。真のコリドラスといえるCorydoras(コリドラス)属はコリドラス ゲオフロイを基準種とする、いわゆる『ロングノーズ系』の種にあてられました。グイン!と反った吻とカッチリした肩つきが特徴の高価格帯のコリドラス達と言ったらイメージ湧きます??

これはすでに知っている人も多いでしょう?スクレロミスタックス属

あのカッコいい“コリドラス”たち

“コリドラス”バルバートゥスを基準種とする、長い吻に頬ヒゲ・長く伸びる胸ビレに背ビレ・体高の低いスレンダーボディーが特徴のグループ。今回の改編とは別の話にはなりますが、ここ20年ぐらいの間ににScleromystax(スクレロミスタックス)属として分離されていましたよね♪本属に近縁なものとしてAspidoras(アスピドラス)属が知られていますが、こちらは国内の観賞魚界隈では長らく“コリドラス”とは分けて扱われているように思われます。

これも特徴的な体型の“コリドラス”達でした。ガストロデルムス属

精悍な顔つきの“コリドラス”たち

“遊泳性チビコリ”2種もここに!

“コリドラス”エレガンスを基準種とする、喉元のせり上がった精悍な顔つきと遊泳性に優れた流線形のボディーを持つ、いわゆる『エレガンス系』はGastrodermus(ガストロデルムス)属に!。この中には極小種として知られるピグマエウスとハスタートゥスも含まれますが、この2種のみの共通する特徴からMicrocorydoras(ミクロコリドラス)属としてさらに分離するのでは?という予測も・・。

“コリドラス”の代表種が分離!アエネウス・グループはオステオガスター属に

“赤コリ”の通称でも知られる茶色ベースの“コリドラス”たち

“赤コリ”の愛称で知られる“コリドラス”アエネウス。“イルミナティ―○○”と呼ばれるメタリックカラーの美しいものや、黒みの強いものなど地域差による差か、はたまた別種なのか様々なタイプが知られていました。今回それらがまとめてOsteogaster(オステオガスター)属として分離。・・・通称ジュリー(トリリネアートゥス)など他の一般的な“コリドラス”とは別のグループということに。

“コリドラス”の定番種も多数!パンダなんかはホプリソマ属

かわいらしく実に“コリドラス”らしいグループ!

パンダや通称ジュリーにステルバイなど実に“コリドラス”らしい定番種ぞろいのいわゆる『ショートノーズ系』のものはHoplisoma(ホプリソマ)属に!。前述のOsteogaster属が抜けたことにより種類数は減りましたが、それでも90種近くがここに含まれます。

一番大きく動いたのはここかも!ブロキス属

)背ビレが広いの・広くないの両方含みます!

こんなのもブロキス属に!

背ビレの条数が多いという分かりやすい外見差もあり古くから多くのアクアリストにもコリドラスに近縁な別属のお魚と認識されていた“ブロキス属”。ほんの数種で構成される小属でしたが近年1種を除き“コリドラス属”に属するという見解も発表されていました・・が今回の改編では逆になんと40種以上を擁するする大勢力に!。
これはいわゆる『セミロングノーズ系』の種がここに含まれたことによりますが、「いや!この前“コリドラス”だって抜けたの何だったの?」とか「顕著な形態差があるのに“コリドラス”がブロキスなの!?」て感じる人多いんじゃないでしょうか?。ところがコレ、生物の分類分野における新たな手法により裏打ちされたものらしいのですが、ここいらへんは次項で。

実は既定路線?予備知識の有無で変わる改編の中身

と、ここまでの流れで“コリドラス”の分類に大激流発生!みたいな印象をあえて醸してみましたが実はコレ
『以前提唱されていた属名が復活しただけ』というのが事実のようなんですね。先行して分離したスクレロミスタックス属も旧属名の復活ですし、ミクロコリドラス属も過去に提唱されていたものです。

また、器材や技術の発達によりグループごとの定義(棘の付き方や各骨の位置関係等々)を規定する上での、より精度の高いデータが取れるようになったこと・遺伝子解析などの新手法が併用されるようになったことでブロキス属の場合

◎“ブロキス”と“セミロングノーズ系コリドラス”の類縁関係の近さ
◎見た目でとても目立つ“ブロキス”の持つ『幅広い背ビレ』は近縁グループとの区別点として扱うには実は弱い特徴であること

※発現度合いが稀か安定しているかの差で他の近縁グループでも幅広背ビレ個体が稀に見られる。“ブロキス”は背ビレが安定して幅広になる“セミロングノーズ系コリドラス”という見解。
が判明したことが反映されたようです。

さて今回は大幅な改編が行われた“コリドラス属”の分類について調べてみました。かなり詳しく紹介されている記事もあるようなので気になる方はそちらも参照してみてくださいね♪

TO wrote it